ホンダPCXやヤマハNMAXにはオイルフィルターが有りません。
オイルフィルターを交換しなくても良いので楽です。
けれど、スズキアドレスにはオイルフィルターが有ります。

なぜ、PCXやNMAXには無くて、
アドレスにはあるの?
そんな疑問を解消します。
オイルフィルター有無の差はどこから来るのか?
PCXやNMAXには無くて、アドレスに有る理由をお教えします。
PCX・NAMXに オイルフィルターが 無くてアドレスに有る理由
PCX・NMAXの主戦場はアジア
アドレスの主戦場は極東
- ベトナム、マレーシア、インドネシアのバイクは乗りっぱなしでも走る必要があるためオイルフィルターは使いません
- 台湾、韓国、日本のバイクはメンテされる事が前提に出来るので、オイルフィルターを使います
PCX・NMAXにはオイルフィルターは有りませんが、代わりにストレイナーという茶こしのようなものが付いています。
ストレイナー により異物はキャッチされます。amazonを引用
しかし、ストレイナーはオイルフィルターほどの目の細かさはありません。
- ストレイナー
大きな異物は除去できる。目が粗いので細かい異物は除去できないが目詰まりし難い。 - オイルフィルター
細かい異物まで除去できるが、使い続けると目詰まりし易い。
オイルフィルターの役目
エンジンオイルの主な役目はエンジン内部の潤滑です。他には洗浄、機密、冷却、防錆などがあります。
オイルフィルターは、エンジンオイルが洗浄したエンジン内の異物をキャッチするのが役目です。
日本ではエンジンオイル交換1回置きにオイルフィルターを交換するのが良いとされています。
世界ではそんなに交換しません。
フィルター交換しないと何が起きるのか
オイルフィルターを交換せずに使い続けると、いずれフィルターが詰まってオイルを通さなくなります。
エンジンオイルの循環が止まってしまうと潤滑が出来なくなり即、故障します。
それは不味いのでフェールセーフとしてオイルフィルターが詰まった場合はオイルフィルターをパスして循環するような構造になっています。
これにより最悪の焼き付きは防げますが、フィルターなしの状態ですので異物が混入すると致命傷になります。

PCX・NAMXにオイルフィルターが無い理由
ベトナム、マレーシア、インドネシアなどでは、バイクは十分なメンテがされずに酷使されがちです。
日本では3,000Km程度でオイル交換する人も珍しく有りませんが、彼の地では有り得ません。
3人乗り4人乗りして凸凹の道を走り続けます。
そうでないとユーザーの信頼を得る事は出来ません。
もし、PCXやNMAXがオイルフィルター付きだったならば、フィルター交換されずにオイルフィルターが詰まりパスして循環する状態が続きます。
フィルター無しなので、異物が混入すると即エンジン故障になります。
交換不要なストレイナー(茶こし)にすれば最悪は防げるのです。
細かい異物は取れませんが故障するような大きな異物は長期間に渡り取れます。
細かい異物が取れなくて問題無いのか
- 異物に弱いフラットベアリングを使わないから大丈夫。125ccクラスは異物に強いボールベアリングで事足りる
- 工作精度の向上により、異物が大量発生し難くなっているから大丈夫
エンジン内部のベアリングの違いで、オイルフィルターが不要なのです。
フラットベアリングとボールベアリング
PCX、NMAXと言った125cc・150ccクラスのバイクは、低出力なのでエンジン内の軸受けにボールベアリングを使えます。
ボールベアリングは異物に強いためストレイナーでも大丈夫なのです。
大型バイクは重厚で大出力なため、ボールベアリングでは持ちません。
フラットベアリング の必要があります。
フラットベアリングは細かい異物に弱いので、細かい異物が除去できないストレイナーは使えません。
大型バイクはフラットベアリングなので、フィルターが付いているのです
軸受の種類
軸受けは2種類に大別できます。
- 転がり軸受(ボールベアリング)は取り扱いが簡単ですが大きな負荷には耐えられません
- 滑り軸受(フラットベアリング)は、摩擦が大きいですが大きな負荷に耐えられます
- 転がり軸受
内輪と外輪との間に何個かの転動体が保持器によりお互いに接触しないように、一定間隔を保って配置され滑らかな転がり運動をするような構造①摩擦が小さい②円滑で高速回転で使用できる③保守・取り扱いが簡単 - 外輪と内輪の間に油や空気を介在させて「転がり軸受」の転動体はない軸を支える仕組み。①外輪と内輪との接触面積が大きいため大きな荷重に耐えられる
②摩擦が大きいため、回転抵抗も大きい
PCXのストレイナー位置
PCXのストレイナーはサイドスタンド近くの黄印部にあり、カウルを取り外さなくてもアクセスできます。
ノーメンテでも構いませんが、年1回開けてみて何がキャッチされているか見るのも面白い。
異物を取って元に戻せばOKです。

PCXの異物対策
PCXは異物に強いので、フィルター無しでも問題ないのは解った。

けれど、心配!
細かい異物が取れないのが気になる?
ならば、磁石付きドレインボルトがおすすめ。
ドレインボルトに金屑などが磁力で確保されるので異物が循環しない。
オイルがきれいになります。
発色が良いアルミ製もありますが、アルミは強度が気になる。
鉄で出来ているコレがおすすめ。
ついでにストレイナーキャップをメッキに変えて差別化しよう。
アドレスにオイルフィルターがある理由
スズキのアドレスは、極東(台湾・韓国・日本)向けのバイクです。
ホイールが12インチと小さいことからも整備された街をクイックに走ることを想定しているのが解ります。
極東ではユーザーがメンテナンスの必要性を認知しいています。
そのため、フィルター放置の心配が無いのでフィルターが使えるのです。
メーカーの考え方になりますが、ユーザーに負担を掛けないホンダ・ヤマハの考え方に共感される方も多いはずです。
PCX・MAXにオイルフィルターが無い理由 まとめ
PCX・NMAXはアジア向けのバイク
メンテが期待できないので、オイルフィルターは使わない
アドレスは極東向けのバイク
メンテが期待できるので、オイルフィルターを使える
オイルフィルターで細かい異物まで取り除いたほうがベター
しかし、放置されてフィルターが詰まる懸念がある
⇒ PCX、NMAXはメンテ不要なストレーナーを使っている
ストレイナーはノーメンテでも構いませんが、たまに異物を綺麗にすると気持ちが落ち着きます。
磁石付きドレインボルトで異物が循環しないようにしてもいい。