125cc原付2種(原2)スクーターで通勤する人が増えました。
車を売って原付2種に乗り換えれば、当然節約になる。
けれど、休日の買い物やレジャーのため、車を手放すのは難しい。

車は維持したまま、
原2通勤に変えたら
どれくらい節約になるのだろう?
そんな疑問を解消します。
いきなり結論から言ってしまうと
車維持したままだと、車通勤を原付2種通勤に変えても節約になりません
理由は、原付2種の値段が高すぎるから
車のガソリン代が浮いたお金で、原付2種のコストは賄えません
原付2種の導入コストを回収するのに、膨大な時間が掛かる
- プリウスだと、原付2種購入費を回収する事はほぼ不可能
- クラウンだと、回収に68ヶ月掛かる
こんな内容を知って、スッキリしよう。
節約目的で原2通勤に切り替えるのは、止めた方が良い。
最近の車は燃費が良いので、燃費差で原2購入費用を回収するのは難しい。
しかし、満員電車のストレスからは解放されます。
ストレス解消、ON/OFFスイッチ切替として
原2通勤は、おすすめ!
もちろん、事故には気を付けてね!
車通勤を125cc原付2種に変える効果 前提条件

朝晩の通勤時間に、原付2種が増えました。
- コロナ対策のため
- 通勤時間短種のため
- 節約のため
いろんな理由を聞くけれど、節約のためという声が大きい。
原2通勤にすると、本当に節約になるのか検証してみます。
命題)
プリウス/クラウンで通勤してる人が、PCX125通勤に変えると節約になるのか?
まずは、前提条件を決めます。
- 車は、プリウス・クラウンの2パターン
- 原2は、燃費の良いPCX
- 通勤距離は片道20km
- 車は維持したまま、PCXを購入する
- PCXの燃費は公称の80%
前提条件 | PCX125 | プリウス | クラウン |
カタログ燃費(km/L) | 50.7 | 37.2 | 16 |
実燃費係数 | 0.8 | 0.8 | 0.8 |
実燃費(km/L) | 40.56 | 29.76 | 12.8 |
オイル交換費用(円) 5,000km毎交換 | 1,000 | 4,000 | 6,000 |
タイヤ交換費用(円) | 10,000 1万km毎 | 40,000 4万km毎 | 60.000 4万km毎 |
バイク保険(円/年) ファミリーバイク特約 | 8,000 | 0 | 0 |
軽自動車税(円/年) | 2,400 | 0 | 0 |
車両購入費(円) | 350,000 | 0 | 0 |
前提条件 【車は維持したままで、車通勤から原2通勤へ】

車通勤者が 原2を追加購入して
原2通勤に切り替えた場合を想定します
都心に住んでいれば、車が無くても平気かもしれない。
けれど、地方では車無しは厳しい。
- 週末の買い出し
- 子供の習い事の送迎
- レジャー
車が無いと、身動きできません。
だから車は売らずに、通勤用に原2を購入することとします。

車と原2の燃費差で、
原2の導入費用は直ぐにペイ出来るよね?
そんな目論見です。
前提条件 【通勤距離】

- 通勤片道20km
- 稼働日数20日/月
20×2×20 = 800km 月に800kmを通勤とします。
通勤距離が長いほど燃費の差が原付2種に有利なので、距離長めに設定。
マイカー通勤の平均通勤距離は、10.5km

国土交通省総合政策局 『交通基本法案検討小委員会 資料』を引用
国土交通書のデータによると、マイカー通勤の平均距離は、10.5km。
倍の片道20kmを通勤距離として、試算します。
高速道路を使って、50kmを通勤している猛者もいるかと思います。
しかし、片道20kmの通勤はかなり長めの設定です。
距離が長いほど車と原2の燃費差が効いてくるので、原2に有利な設定。
前提条件 【車に掛かる費用】
車を既に持ってる前提なので、車に掛かる費用は車通勤に掛かる費用のみ
- 車の購入費用
- 車の自動車税
- 車の保険料
これらは車を通勤に使う/使わないで不変のため考慮しない。
厳密には、車を通勤に使わないと車保険が安くなります
通勤用 ⇒ レジャー用
これにより、数千円保険料が安くなるけど無視
原2有利に設定。
前提条件 【原2ランニングコスト】

- 原2の燃費はカタログ燃費の80%で計算
- 原2の消耗品は安価なのもを使う
通勤時間帯のため、渋滞などもあるはずです。
燃費はカタログ燃費の8掛けで計算します。
オイル・タイヤは、一般的な金額で試算します。
点火プラグ、エアフィルター、ブレーキパッドなど交換頻度が低く安い部品は、無視。
125cc維持費の根拠はココ
初期費用については、ココ
125ccと150ccで悩んでるなら、ココ
車通勤を125cc原付2種に変える効果 【PCX・プリウス・クラウンの比較】
試算の前提条件をもう1度、確認しておきます。
この表が、前提条件。
前提条件 | PCX125 | プリウス | クラウン |
カタログ燃費(km/L) | 50.7 | 37.2 | 16 |
実燃費係数 | 0.8 | 0.8 | 0.8 |
実燃費(km/L) | 40.56 | 29.76 | 12.8 |
オイル交換費用(円) 5,000km毎交換 | 1,000 | 4,000 | 6,000 |
タイヤ交換費用(円) | 10,000 1万km毎 | 40,000 4万km毎 | 60.000 4万km毎 |
バイク保険(円/年) ファミリーバイク特約 | 8,000 | 0 | 0 |
軽自動車税(円/年) | 2,400 | 0 | 0 |
車両購入費(円) | 350,000 | 0 | 0 |
これを計算すると、どうなるのか?
車通勤を125cc原付2種に変える効果 【試算結果】

- PCXで通勤
- クラウンで通勤
- プリウスで通勤
3つの前提条件をEXCELにぶち込んだ結果グラフが、コレ!
- 横軸が通勤期間(月数)
- 縦軸が通勤手段別の積算コスト
コストの線が段付きになってるのは、オイル交換・タイヤ交換時期のためです。
PCXの初期値が35万円なのは、最初にPCXを購入する初期費用のためです。
このグラフを見て、どう思われますか?
車通勤を125cc原付2種に変える効果 【総括】

原2を買って通勤しても、節約にはならない
燃費・維持費の差 <<< 原2の購入費用35万円
原2の購入資金を回収するのは、ほぼムリ!
原2の購入費用35万円を燃費・維持費の差で回収するには、気の遠くなる時間が掛かります。
- 燃費が悪いクラウン相手で、6年
- 燃費のいいプリウス相手なら、勝てない
雪の日、雨の日は車通勤するとすると、もっとムリ!
燃費が5km/L以下の車を持ってこないと勝負になりません。
試算に入れていない費用 ヘルメット・ウエア
原2に乗るための装備を入れると、もっと差が広がる
原付2種通勤のイニシャル費用として、車両購入費しか入れていません。
実際には、バイクに乗るための装備費用が必要です。
- ヘルメット 5万円
- 夏・冬ジャケット 3万円
- 夏。冬グローブ 2万円
- レインコート 1万円
これを含めるとクラウン相手ですら、初期費用が回収できません。
スーツで半ヘル通勤すれば、装備費用は抑えられるけどね!
原2の初期費用を改善する案

PCXをあきらめ、アドレス125にしても
大勢に影響は無い
原付2種のイニシャル費用が支配しているため、これの削減を検討します。

PCXを諦めて
通勤スペシャルなアドレスにしたら?
- PCX 35万円
- アドレス125 23万円
再計算すると、クラウンとの損益分岐点68ヶ月が50ヶ月になります。
アドレス125でも、4年以上掛かってやっとトントンです。
ならばと、『中古スクーター激安10万』を選べば
すぐに動かなくなるに決まってる!
新車でも4年をオイル交換だけで走るか怪しいのに、激安10万の中古は無謀。
メンテ費用がかさみ、節約の夢が破れる。
激安バイクの仕組みは、ココ
節約にならない理由は1つ『原2バイクの高騰』

原付バイクが高くなりすぎ!
- 原付2種が10万円そこそこで買えた時代なら節約になりました
- 車の燃費が悪かった時代なら、節約になりました
今の原付2種は高すぎて節約になりません。
年々厳しくなる法規制

原付2種が高くなったのは、排気ガス規制、騒音規制のため
規制対策は小排気量バイクほど重くのしかかります。
規制を通すための費用は、大きなバイクも小さなバイクもそれほど変わりません。
リッターバイクだからと言って、マフラーの触媒が原2の10倍になる訳じゃない。
元々の価格が安い小さなバイクほど負担割合が大きくなってしまいます。
また、規制対策のために失ったパワーを排気量アップで誤魔化す事も出来ません。
小排気量車は、年々値段は高く性能は低くなる
- ABS義務化
- EURO5
もう、原2を買って節約できる時代では無くなってしまいました。
バイクを節約して楽しむ方法はあります
車通勤を125cc原付2種に変えても節約にならない理由 まとめ

バイクの排気ガス規制、騒音規制、ABS義務化により、原付2種の価格は上がる一方です。
車維持前提だと、車通勤を原付2種通勤に変えても、
原付2種購入費用が回収できず節約にはなりません。

家族持ちにとって車を手放すのはハードルが高い。
都心に住んでいるならまだしも、地方では車が無いと不便なので必需品です。
原2を趣味として使うのは、楽しい。
気負わないし、コスパもいい。
だけど、実用として使うには、厳しい時代になりました。
排気ガス規制、騒音規制がリセットされるEV化に期待するしかないのだろうか?
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