- ホンダのCB1000R
- トヨタのヤリス1.0L
同じ1,000ccのエンジンを積んでます。
価格は、ほぼ同じ。

なぜ、同じ燃費なの?
なぜ、最高出力が倍も違うの?
どっちが、おすすめ?
そんな疑問を解消します。
車とバイクのエンジンは、方向性が違う
- 車は重いので、低速トルクが必要
⇒ロングストロークにして、燃費を稼ぐ - バイクは軽いので、低速トルクは不要
⇒ショートストロークにして高出力を稼ぐ - 車とバイクで、エンジンスワップは、ムリじゃない
こんな内容を知って、スッキリしよう。
車とバイクは、同じ『4ストロークレシプロエンジン』。
だけど、目指してるものが違うので、別の進化をしています。
CB1000Rとヤリスの比較

HONDA CB1000R | TOYOTA YARIS G1.0L | |
排気量(cc) | 998 | 996 |
内径×行程(mm) | 75.0×56.5 | 71.0×83.9 |
車両重量(kg) | 213 | 970 |
燃費(Km/L) | 17.2 | 20.2 |
最高出力(KW [PS]/rpm) | 107[145]/10,500 | 51[69]/6,000 |
最大トルク(Nm/rpm) | 104/8,250 | 92/4,400 |
価格(円) | 1,670,900 | 1,630,000 |
ヤリスは、CB1000Rに比べ
- 重量は5倍
- 燃費は同じ
- 最高出力は半分
- 最大トルクの回転数は半分
- 価格は,同じ
どっちが欲しいですか?
日本を代表する2台です。
バイクと車の立ち位置の違いが解りやすい2台でもある。
- なぜ、重量が5倍も違うのに燃費が同じなのか?
- なぜ、出力が倍も違うのか?
ともに1,000ccエンジンを積んでいるけれど、目指しているものが全然違うためです。
- CB1000Rは、最高出力が命
- YARISは、低燃費が命
車の目指すもの 燃費が命

かつては車でも『NAでリッター100馬力』という時代がありました。
1999年のトヨタ セリカは1800ccで190ps/7600rpm。
- リッター106馬力
- 10・15モード燃費 13.0km/L
もう、2度とこんな車は出ない。
燃費が命

ホンダが行った「クルマ選びとクルマの利用に関する調査2021」によると
車選びの重視ポイントは、
- 価格
- 燃費の良さ
- 運転のしやすさ
10位までに、『加速』『最高速度』なんて言葉は出てこない
安くて燃費が良ければOKなのです
トヨタ ヤリスのサイトを見て欲しい。
燃費以外、エンジンのセールストークなんて、どこにも書いてない。

自動運転になったら、移動中に車内でしたいことの上位が、
- 睡眠
- ドラマ・映画の視聴
- ネットサーフィン
求められているものが、これなら致し方ない。
『FUN TO DRIVE』
トヨタの企業スローガンは、もう違うのかもしれない
バイクの目指すもの 最高出力が命

豊かな低中速トルクによるアグレッシブな出力特性を追求した。
また吸気系では、吸気抵抗低減と吸気効率を追求したエアクリーナーボックスとあわせ、ボア径をφ44mmに設定したスロットルボディーにより吸気効率の向上を追求。低回転域からのリニアなスロットルレスポンスと力強いパワーフィールに寄与している。
さらに吸気ダクトカバー上部にスリットを設けることで、スロットル操作にリンクして高鳴る吸気音をライダーに聞かせ、吹け上がるエンジン回転を体感できる演出を施した。
ホンダ CB1000R公式サイトを引用
熱いですね!
エンジンに、走れるように補器を付けたのがバイクです。
バイクはエンジンが命です。
そして、エンジンスペックは、最高出力に代表される。
1万回転ブン回して、リッター145馬力!
日本のどこで使えるかなんて、
関係ありません
リターンライダーなら
バイクと車のエンジンを比較

- 車は重いので、低速トルクが必要
⇒ロングストローク
⇒燃費が良い - バイクは軽いので、低速トルクは不要
⇒ショートストローク
⇒高回転で高出力
車とバイクのエンジンは、ともに『4サイクルレシプロエンジン』で同じ仕組みです。
だけど、性格は正反対。
車は重いので、低速トルクが必要

車は1,000kgあるので、発進時に低速トルクが必要です。
4~5,000rpmブン回して、クラッチミートしても良いけれど、燃費がダメダメになってしまうからね。
低速トルクを出すために、車はロングストロークになってます。
内径より行程の方が長い。
ロングストロークだと、ガソリン爆発のエネルギーを回収しやすいからね。
低速トルク = ロングストローク = 効率が良い = 低燃費
低燃費が先か低速トルクが先か、ニワトリとタマゴですね!
バイクは軽いので、低速トルクは不要

バイクは車の1/5程度の重量しかないので、低速トルクを気にしなくてもいい。
気にしなくても、アイドリングで発進できてしまう。
ならば、最高出力を上げる味付けが可能です。
バイクの魅力はエンジンです。
高性能エンジンをアピールするなら、最高出力がベスト!
最高出力を狙うなら、ショートストローク。
ショートストロークだと
ピストンスピードが抑えられるので、高回転まで回せる
出力 = トルク × 回転数
トルクはほぼ排気量に比例。
だからショートストロークにして高回転までブン回せば、最高出力もアップ!
バイクは燃費より航続距離
バイクは燃費より、満タンで何キロ走れるかが大事
もちろん、バイクだって燃費が気にならない訳じゃない。
けれど元々軽いため、出力に振ったエンジンでもそこそこの燃費は出ます。
このため、バイクで実際に気になるのは、燃費より航続距離です。
バイクは航続距離300kmあれば、燃費は気にならない
バイクは、車に比べ小さなガソリンタンクしか積めません。
車は、航続距離500kmは当たり前。
1,000km走る車もある。
バイクはそこまではムリだけど、300kmあれば安心。
1980年代のバイクブーム
2スト250ccが、みんなの憧れでした
実際には60馬力出てたというエンジンだけど、燃費は10km/L
航続距離はダメダメだけど、欲しいよね
小排気量も楽しい
車とバイクで、エンジンを入れ替えたら!スワップは可能?

車とバイクのエンジンは、性格が真逆です。

エンジンを入れ替えたらどうなるの?
スワップできるの?
もちろん、愛すべきバカは、居ます。
バイクに車のエンジン

- エンジン:6300cc
- ミッション:AT2-Speed
ボスホスは、アメ車のエンジンをバイクに乗せたアメリカのバイク。
BOSSHOSS JAPAN で購入できます。
アメリカ人は、だから好きです。
車にバイクのエンジン
軽トラにNINJAの1200ccエンジンを無理やり乗せた人のYoutube。
乗りにくそうではあるけれど、楽しそう。
愛すべきバカに違いない。
バイクに乗る理由も同じです
CB1000Rとヤリス、どっち? まとめ

CB1000Rとヤリス。
同じ1,000ccエンジンを積んでいて、価格も同じです。
ヤリスも良い車だけど、おすすめはCB1000R。
ガソリンエンジンの最期を飾るにふさわしい。
1万回転ブン回せば、気持ちいいに決まってる。
免許証と命は大事にね!
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