潰れたねじ穴を補修する方法7選【インサートナット(リコイル)最強】

トリビア

バイクのメンテナンスは、ねじを締めて終わりです。

ねじが脱落しないよう

最後の最後に力を入れた時の、

あのヌルっとした感触!

ねじ穴を潰してしまった!

どうすれば良いの?

フリーズする気持ち、とても良く解ります。

そんな悩みを解消します。

ねじ穴補修方法には、7種類

  1. インサートナット(リコイル)
  2. ねじサイズを上げる
  3. 溶接で埋める
  4. タップさらい
  5. リペアースティック
  6. ねじ穴に詰め物
  7. 見なかったことにする

インサートナット(リコイル)がおすすめ!

こんな内容を知ってスッキリしよう。

後悔先に立たずだけど、補修出来るので落ち込まなくて大丈夫!

ねじ穴補修7方法の比較

ねじが緩んでくるのが心配で、オーバートルクになり

ヌルッ

あなただけじゃなく、誰もがやってしまう

だから、そんなに落ち込まなくても大丈夫

潰してしまったねじ穴を補修する方法には、いろんな方法があります。

ねじ穴では無く、ねじ頭の十字を潰してしまったのなら
⇒ ネジザウルス種類と使い方!バイクメンテにGT・バズーカを選ぶ理由!

元々、トルクレンチを使えば潰さない、と基本にかえるなら
⇒ トルクレンチでトルク管理するのは難しくない!【使い方・おすすめ】

ねじ穴補修方法の比較表

方法難易度耐トルク耐久性
1.インサートナット(リコイル)〇〇
2.ねじサイズを上げる〇〇
3.溶接で埋める
4.タップさらい
5.リペアースティック
6.ねじ穴に詰め物
7.見なかったことにする
  • 難易度:素人でも可能か
  • 耐トルク:補修後にトルクが掛けられるか
  • 耐久性:補修の効果はどれくらい続くか

比較すると、『インサートナット(リコイル)』が容易で総合力が高い

1.インサートナット (リコイル)

インサートナット (リコイル)
photo by RECOIL

潰れてしまったねじ穴を少し広げて、既成のねじ山を入れて補修する方法の総称です。

リコイルとも言います。

  • メリットは、簡単で補修後に元通り以上のトルクが掛けられること
  • デメリットは、 特殊工具が必要なこと

アルミのねじ穴は潰れやすい。

アルミより硬い鋼鉄のネジ山を入れることで、耐トルク性はもとのねじより上がる。

作業も難しくない

インサートナットには、3種類あります。

  • ヘリサート
  • エンザート
  • イリサート

この中で、バイクのねじ穴修理にはヘリサート (Eサート)がおすすめ

それぞれの違いは後ほど。

2.ねじサイズを上げる

ねじサイズを上げる

1サイズ大きなねじに変える方法です。

M6ねじのねじ穴を痛めたら、M8のねじ穴にタップし直してM8ねじとして使う。

  • メリットは、トルクが掛けられるようになること
  • デメリットは、
    ねじ穴径を広げるスペースが必要なことと
    ボルトサイズが変わること
    特殊工具がいること

ねじ穴が1つだけならバレにくいけど、並んでると不格好になってしまう。

自分への戒めには良いけどね!

3.溶接で埋める

溶接で埋める

ねめたねじ穴を溶接で一旦埋めて、新たにねじ穴を開けるやり方です。

素人には溶接で穴を埋めるのはハードルが高い。

4.タップさらい

傷めたねじ穴のタップにもう1度同じサイズのタップを通し整えるだけ

ねじ穴をそのまま使うやり方です。

  • メリット:ねじ穴がそのまま使える
  • デメリット:元のトルクは掛けられない

傷めた程度が軽ければこれでも実用上問題ないと思いますが、応急処置感があります。

今後トルク管理にも気を遣うので、抜本的に直したい。

5.リペアースティック

リペアースティックは、2材料を手でこねて混ぜると、徐々に硬化して最後は金属の硬さになる。

これをねじ穴に入れてからボルトを締めるとねじ穴が形成されます。

  • メリット:溶接で穴を埋めるほど難易度は高くない
  • デメリット:高いトルクは掛けられない

高トルクが必要な部分に使うのは、ムリ。

低トルクでも、不安は残る。

応急処置としては、アリ。

6.詰め物

詰め物

リペアースティックより、もっと簡単につめものをするだけ。

  • メリット:簡単
  • デメリット:
    トルクは望めない
    ねじを締めるたびにやり直し

7.見なかったことにする

見なかったことにする

最期のひと締めで、ヌルっとなめてしまった感覚が手に伝わると、

後悔先に立たず。

トルクが必要の無い部位や、安全に関係のない部位の場合は、そのまま見なかったことにする方法もあります。

  • メリット:何もしなくていい
  • デメリット:規定トルクで締まってない

ブレーキ、エンジン、サスペンションなどのねじの場合は、ちゃんと処理しないと危険!

⇒ トルクレンチでトルク管理するのは難しくない!【使い方・おすすめ】

昔買った中古車で実際にあった話

フロントブレーキパッドを使い切ったため、ブレーキパッドを替えようとブレーキキャリパーを外しました。

すると、キャリバーねじの1つがこの『見なかった事にする』状態でした。

ねじを締めても手ごたえが有りません。どこまでも回ります。

バイク屋は気付かなかったのでしょうか?

とても危険などでやめてほしい。

このバイクを買ったバイク屋には二度と行かないと誓いました。

こんなのは、中古車屋でバイクをいくら見ても絶対気付けません。

信頼できる中古車屋で買うくらいしか自衛不能です。

インサートナット (リコイル) の3種類

インサートナット (リコイル) の種類

インサートナット (リコイル)には3種類あります。

  1. ヘリサート
  2. エンザート
  3. イリサート

三姉妹みたいだけど、似て非なるもの。

バイクには、ヘリサートがおすすめです。

1.ヘリサート (Eサート)

1周り大きいタップを立てて、スプリング状のコイルを挿入します 。

スプリング状なので、ねじ穴のらせんに合わせて動いて一体化します。

このためネジ山が元のサイズに戻る。

何もなかったかのようにねじ穴が復活!

何度、ねじを締め外ししても取れてくることは有りません。

ヘリサート  (Eサート)
photo by RECOIL

2.エンザート

ねじ穴にタップを切り直さず、直接タップしながらねじ込んで復旧させます。

ヘリサートに比べ、ねじ穴にタップを切る必要が無い。

しかし母材をタッピングしながら入れるので、母材の強度が必要です。

アルミのような柔らかいねじ穴には向かない。

3.イリサート

タッピングツールで1サイズ大きいサイズの普通のねじ山を作り、そこに入れるねじ山です。

M6のねじ穴を潰したのなら、M8のタップを切ってM6-M8イリサートをねじ込みます。

『2.ねじサイズを上げる』の強化版。

ヘリサートのようにスプリング状では無く、ねじ穴の形が決まってます。

次回ねじを緩めると、一緒に取れてくるので何度も脱着するねじには向いてません。

ヘリサート (Eサート) で補修する方法

ねじ穴補修キット

ねじ穴修復再生キット2
次に買ったM5~M12の5サイズ対応タイプ

ヘリサートのねじ穴復旧キットが、手の出し易い価格で売られてます。

ヘリサートを入れると元々のねじ穴より強度が出るのが嬉しい。

  • ねじ穴径拡大によるトルク耐性アップ
    M8よりM10の方がトルクを高く掛けられる理屈からです。
  • ステンレスヘリサートによるトルク耐性アップ
    母材がアルミの場合、アルミのタップよりヘリサートのステンレスタップの方が強い。

このようなホームセンターには無い工具が、容易に手に入るのが通販の強みです。

私は最初にやらかしたときに、ヘリサートを知って感動しました

世の中には、頭の良い人が居る

潰してもないのに、次々とヘリサート化しました。

最初買った、この1サイズ用のキットでは飽き足らず、上記の5サイズ用も買ってしまった。

もちろん、違うサイズのねじもヘリサート化!

ねじ穴修復再生キット
最初に買った1サイズタイプ

ねじ穴補修キットの使い方

Youtube動画で見て頂くのが解り易いと思います。

こういうのを考え付く人を尊敬します。

ねじ穴修復再生キットの使い方
メーカ公式を引用

ねじ穴補修キットの注意点

初めて使う人でも、取説通りに行えば、容易にねじ穴補修できます。

気を付けるのは、タップを切るとき!

注意点

垂直にタップを立てること

時折、定規などで垂直にねじ穴を切れているか確認しながら少しづつ

切りくずをきれいにすること

貫通穴は大丈夫だけど、袋穴の場合、中に切りくずが残らないように

エアダスターで飛ばすのがいい。

インサートナット(リコイル)で補修する方法 まとめ

インサートナット(リコイル)で補修する方法 まとめ

あのねじ穴を潰した瞬間のヌルっとした感触を知らない人は幸せです。

自分のバカちからを恨むよりは、トルクレンチでトルク管理しなかった事を恨もう

そして、見なかった事にするのは絶対やめよう。

ねじ穴を潰してしまったら、ヘリサート (Eサート)でねじ穴補修がおすすめ

  • 素人でも十分対応可能です
  • 元ねじ穴より強度のあるねじ穴になる
  • 予防として、潰す前にヘリサート加工するのもアリ

ねじを潰すというと、ねじ頭の十字穴をなめることもある。

その場合は、ココ。

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