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ブレーキメンテ・カスタム

まだブレーキキャリバーのピストンを揉み出ししてるの?【戻らない】

なぜ、ブレーキを揉み出すのか? ブレーキ
  • バイクの取り回しが重くなった
  • ディスクブレーキからキーキー異音がする
  • 急にバイクの燃費が悪くなった
  • ブレーキのピストンが同時に出てこない



どうすればいいのだろう?

知ってるよ!


ブレーキの揉み出しすれば良いんだよね!

そんな誤解を解消します。

揉みだしメリット:

  • ピストンの動きがスムースになる
  • 複数ピストンが同時に出てくる
  • ブレーキフィーリングが良くなった気がする

揉みだしデメリット

  • ピストンが戻りづらくなる
  • ブレーキの引きずりを誘発する


メリット<<<<デメリットなので、揉みだしはお勧めできない

素直にブレーキのオーバーホール!

こんな内容を知って、スッキリしよう。


揉み出しデメリットのほうが大きいのでやめたほうが良い。

これを読んだ上でなお、ピストンが同時に出てこないのが許せないなら

あなたのバイクだから、あなたが決めればいい。


ディスクブレーキのしくみ

ブレーキが解放される

ディスクブレーキの構造を知れば、なぜ揉み出しに意味がないのか、理由がわかります。

  1. ブレーキレバーを握ったときの動作
  2. ブレーキレバーを放したときの動作


それぞれ、どう動いてるのか見てみよう。

ブレーキレバーを握ったときの、ディスクブレーキ動作

ディスクブレーキで止まれる

油圧ディスクブレーキのレバーを握ると

  1. ブレーキフルードに圧が掛かる
  2. ブレーキキャリパーのピストンに圧が伝わる
  3. ピストンが押し出される
  4. ブレーキパッドがローターに押し当てられる
  5. パッドとローターの摩擦でバイクが止まる

ここまではOKですよね。

パスカルの原理ってやつです。


実際、どう動いてるのかは、

片押し

photo by ADVICS SALES

可動部は片側のみだけど、キャリバーが動いてディスクを両側から挟み込む。

この構造を考えて人は、偉い!

キャリバーが動く分、ブレーキタッチが悪くなるのは仕方ない。

両押し

photo by ADVICS SALES

両側からピストンが出てくるタイプ。

可動部が増えるのでコストは掛かるけど

ブレーキタッチはダイレクトですね。

ピストンがローターの両側にあって、両側から押すのが「対向キャリパー」。

反対側が壁でピストンが片方にしか無いのが「片押しキャリパー」

「片押しキャリパー」は安物に思われがちだけど、制動力は同じです

何が違うかと言うと、「フィーリング」です



詳しくは、ココ



ブレーキレバーを放したときの、ディスクブレーキ動作

レバーを放す

なぜブレーキレバーを放すと、ピストンが戻るのか?


なぜ、ブレーキが解放されるのでしょうか

実はオイルシールの復元力に頼ってる


実は、ブレーキを掛けたときにピストンはオイルシールが変形することで動いてます。

  1. ピストンはオイルシールでガッチリ保持されてる
  2. フルードに圧が掛かって、ピストンが押される
  3. オイルシールが変形して、無理やり動かされる

ブレーキレバーを放すと

  • フルードの圧が無くなる
  • 変形していたオイルシールが元にもどろうとする
  • ピストンとオイルシールに摩擦がある
  • ピストンがオイルシールの摩擦で元の位置に引っ張られる
  • ローターからパッドが離れる

たわんだオイルシールが元に戻ろうとして

オイルシールとの摩擦でピストンはローターから離れます


バネが有るわけでも、ワイヤーで引き戻してる訳でもない。

たわんだオイルシールが元に戻ろうとしてピストンを引っ張るだけ。


自分のバイクの価値を知るには



まだブレーキキャリバーのピストンを揉み出ししてるの?

ディスクブレーキの揉み出しが、おすすめでない理由

ディスクブレーキの原理が解れば

なぜ、揉み出しに意味が無いのかは解るよね?



ディスクブレーキの揉み出しは、

  • ブレーキキャリパーを外して
  • ピストンに、メタルラパーとかシリコングリスを塗って
  • ピストンを出したり入れたり回したり



何のために揉み出しをしているのでしょうか?

揉み出しをすると、ピストンが均等に出てくるからですよね?

では、均等に出てくると何が嬉しいのでしょうか?



ディスクブレーキのピストンを揉み出す効果

揉み出しすると

ピストンにいろいろ塗って揉み出すと、ピストンのスベリが良くなります。

スベリが良くなると

  • ピストンの出かたは、スムースになる
      ⇒複数のピストンが均等に出てくる
      ⇒左右のピストンが均等に出てくる


    嬉しい気がする

  • ピストンの滑りが良くなる
      ⇒ブレーキが引きずる

もちろん、バイクに負荷が掛かるほど引きずる訳ではないけれどね。




なぜ、揉み出すとブレーキが引きずるのかが、疑問?


ブレーキメンテ同様、チェーンメンテもね!



なぜ、揉み出すとブレーキを引きずるのか?【戻らない】

ディスクブレーキの仕組みと揉み出しの関係

ブレーキレバーを放したときに

ピストンとオイルシールに摩擦が無いと

ピストンが置いてけぼりになるのです

レバー操作で押し出たピストンが、引っ込むスベが無い

ここまで来れば、揉み出しがおすすめで無い理由は簡単ですね。


たわんだオイルシールが元に戻るときに、ピストンを引き戻そうとするけど

滑りが良すぎてピストンを引き戻せなくなるから、ピストンが出たままになる。

とすると、揉み出して滑りをよくするのは、悪なのでしょうか?


YES。

メタルラバーで揉み出すのは、メタルラバーの使い道を間違えてます。

メタルラバーの正しい使い方

メタルラバーは、ブレーキを組み立てるときに

オイルシールを傷つけないために使う



ブレーキキャリパーを組み立てるときに、オイルシールをピストンに通します。

この時、『オイルシールを傷つけてオイル漏れを起こさないために

ピストンにメタルラバーを付けて滑りを良くして組み立てます。


組み立て終われば、メタルラバーの役目は終わり。

組み立て終わってブレーキフルードを入れると

オイルシールが膨張します

オイルシールが膨張して

ピストンに『ガッチリ食いつく』ことでピストンが引っ込める



オイルシールが膨張して、ピストンに『ガッチリ食いつく』ことでピストンが引っ込める。



摩擦があった方が良いのです。



組み立て終わったら、メタルラバーは不要です。

メタルラバーを塗って摩擦を無くすと、ブレーキレバーが軽くなります

なんか、メンテした気分・タッチが良くなった気分がします



けれど、ピストンの戻る量が減ってるのに気づいてますか?


チョッと休憩


チョッと休憩

『ブレーキキャリバー』と『ブレーキキャリパー』

 のどっちを使いますか?

caliper:ディスクブレーキを両側からはさみつけてブレーキをかけるもの
caliber:口径。直径,内径

goo辞書

ブレーキキャリーが正解です。

間違えているサイトは結構あります。

  • 約 3,950,000 件  ブレーキキャリバーgoogle検索結果
  • 約 16,200,000 件  ブレーキキャリパーgoogle検索結果

20%は間違えてる・・・。
英語の授業は大切ですね。


引きずりを直すより、バイクを変える手もある




複数ピストンの、出かたが違っても良いのか?

複数ピストンの、出かたが違っても良いのか?

揉み出すと、良くないのは解った

なら、ピストンが均等に出てこないのは

どうやって直せばいいの?


  • 左右のピストンが同時に出てこない
  • 複数ピストンが同時に出てこない


これの何が悪いの?



ピストンの出かたが違うのが気持ち悪い

ピストンが均等に出ないと、何がまずいのか?

ピストンが均等に出ないと、何がまずいのか?

均等に出なくても実害は無い

あなたが超繊細にブレーキを使うのなら別だけど

2ポットキャリパーは、1つのキャリパーに2つピストンがあります。

4ポットなら4つ。6ポットなら6つ。

揉み出して


全部のピストンが同時に出てくると

なんか嬉しい!



もちろん、極端に出る量が違うのは問題だけど、

遅れてピストンが出てくる程度なら、大勢に影響はない。

ブレーキパッドが均一に減ってるのであれば、制動に問題は無い。

フィーリングは悪くなる

フィーリングは悪くなる

初期のピストン出かたでフィーリングが変わる可能性は有る

片押しが対向ピストンよりフィーリングが悪いように、

全部のピストンがディスクに着くまでカチッとはしなくなる。

でも、繊細な差。

それが問題となることはまず無い。



ブレーキングでピストンが動く量は数ミリです。揉み出す量ほど動かない。


それよりも、ブレーキレバーを放したときのピストンの戻る量を気にしよう。

オイルシールの摩擦という、管理しにくい性能でピストンの出入りが決まります

4つのピストンが同時に出入りする方がオカシイ

ピストンだって、オイルシールだって工業製品なので公差はあります

全く同じじゃない

無負荷での出入りを気にする必要は、ありません





フィーリングが気になるなら、ディスクブレーキのメンテナンス

ピストン動作に差があり、そのフィーリング(タッチ)が気になるなら、

揉み出すよりオーバーホール


ブレーキキャリバーのオーバーホールしてやれば、ピストンの動作は元に戻る。


オーバーホールが王道です。

オーバーホールにはこれらの特殊工具が必要になります。

これらのツールの使い方が解らないなら、ブレーキメンテはショップに任せた方がいい。

ブレーキが効かないと、笑えない。

見栄を張る場面では無い


簡易なオーバーホール

簡易なオーバーホール

いきなフルオーバーホールが敷居が高いなら、簡易なオーバーホールを試してもいい。

  • キャリパーを外す
  • ブレーキパッドを外す
  • ブレーキレバーを握ってピストンを出す
  • 水洗いでブレーキダストなどを取り除く
  • ピストンにこびり付いた異物・サビをピカールで磨く
  • ブレーキレバーを握ってピストンの出入りを見る


こんな時はバラシてオーバーホールしよう、メタルラバーで誤魔化さない

  • ピストンの異物・サビが取れない
  • ピストンが固着して動かない
  • ピストンが戻らない
  • パッドが片減りしている
  • シールにヒビがある
  • オイルシール交換
  • ピストン研磨


メンテしてれば、10万Kmは軽い




まだブレーキキャリバーのピストンを揉み出ししてるの? まとめ

ブレーキキャリパーのピストンを揉み出し まとめ

揉み出しすより、オイルシール交換の方がおすすめ

まとめると、1行で終わってしまいます。

キャリパーのオーバーホールは敷居が高そうですが、やってみると大したことありません。

ただし、固着しているピストンを外すのは難しい

ピストンを再利用しないなら力ずくで構わない。

再利用するなら、そこだけショップでエアツールを借りるのかおすすめです。

走行中にブレーキが利かなくなると笑えません

ブレーキメンテに自信が無ければ、プロに任せた方が良い

対価を払うのだから、引け目を感じる必要は無い


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