ヤマハ SR400、セロー、トリッカーが販売終了。
残るは、カワサキKLX230、ジクサー150のみ。
空冷単気筒は、絶滅寸前です。
![](https://pcxgo.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
空冷単気筒って、何が良いの?
水冷多気筒の方が、パワーあるのに!
そんな疑問を解消します。
- 名車3台の最後
- 空冷単気筒のメリット8選
- 空冷単気筒のデメリット3選
こんな内容を知ってスッキリしよう。
空冷単気筒は、かつての2ストと同じ運命をたどろうとしています。
確保するなら、待ったなし。
【追記】350cc空冷単気筒がでましたね!
ヤマハ SR400、セロー・トリッカーが販売終了
![SR400](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/sr400-2_R.jpg)
![セロー](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/serow-2_R.jpg)
![トリッカー](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/tricker-2_R.jpg)
SR400、セロー、トリッカー
3台とも、間違いなく一時代を築いた名車です
2021年で販売終了がアナウンスされてる、空冷単気筒3台。
- SR400:1978年発売開始
- セロー:1985年発売開始
- トリッカー:2004年発売開始
各車の詳細を今さら説明する必要もありません。
上の3枚の写真を見て、どれがどのバイクか解らない人が居るはずも無い。
バイク乗りなら、誰でも知っている名車なのは間違い有りません。
バイクに興味を持ったきっかけが、この3台。
初めてのバイクが、空冷単気筒と言う人も多いはずです。
空冷単気筒ほど、バイクらしいバイクもありません。
今なら、まだ新車が確保できるけれど
今後、250cc以上の空冷単気筒が新発売される可能性は、限りなく低い。
残るは残るはKLX230、ジクサー150
![ジクサー150](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/02/gsx150_R.jpg)
![KLX230](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/klx230-4_R.jpg)
アドレス110、シグナスX、モンキー125といった125cc以下に空冷単気筒は残ってます。
けれど、125cc以上となるとKLX230、ジクサー150の2機種のみ。
250ccに満たないのはチョット寂しいけれど、最後の砦なのは間違いない
250cc以上の空冷単気筒は、SR400、セロー、トリッカーの終了で絶滅しました。
![私のセロー](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2019/09/oldbike-4.jpg)
実際にセローに7年ほど乗ってました
セローなら『何でもできる』というのは本当です
パワーが欲しくならない不思議なバイク
絶滅は、本当に勿体ない
空冷単気筒の魅力、メリット8選
![空冷単気筒の魅力、メリット8選](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/02/sr400-enjine_R.jpg)
空冷の魅力・メリットはこの8つ。
- 軽い
- 安い
- 空冷フィン
- スリム
- 低速トルク
- 低燃費
- 鼓動(振動)
- 長寿命
1.空冷単気筒は軽い
完璧がついに達成されるのは、何も加えるものがなくなった時ではなく、何も削るものがなくなった時である。
サン・テグジュペリ 『星の王子さま』著者
![](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2020/11/4-Stroke-Engine.gif)
空冷単気筒は、4サイクルエンジンとして、これ以上削るものは、何も有りません。
- 単気筒なので、燃焼室は1つしかない
- 空冷なので、ウォーターポンプもラジエーターも無い
シンプルだから、部品点数が少ない。
部品点数が少ないから、軽い!
バイクにとって、軽さは絶対正義です。
加速も良くなるし、ブレーキも良く効く。
ライダーの体重移動に対する反応も良くなる。
取り回しも軽い。
Simple is best!
吸排気バルブが無い2ストはもっと削れるけれど、
とっくに絶滅済みです
![2スト](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/02/2st4st_R.jpg)
2.空冷単気筒は安い
無駄なものが無いので、安い。
軽さと同様に、安さも絶対正義です。
水冷システムも無いし、燃焼室は1つだけ。
最小構成なので、安い。
125ccのコスパは抜群だけど、250ccの空冷単気筒には125ccを脅かすポテンシャルがあります。
最近の空冷単気筒はそれほど安くない
水冷多気筒に比べれば、まだまだ安い。
けれど、昔の空冷単気筒に比べると高い。
これは、空冷単気筒に限らずバイク全体に言えます。
環境性能のため、騒音防止のため、高価な触媒やインジェクション、ABSなどが必要になりました。
もともと安価だった空冷単気筒は、コストアップが目立つので高価になった印象を受けます。
3.空冷単気筒は空冷フィン
![空冷フィン](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/02/serow_feature_R.jpg)
空冷エンジンは、排熱を空気中に放出するしかない。
だから、空冷エンジンには、フィンが付いていて、表面積を稼いでます。
水冷のように、エンジンの周りを水路が巡って、ブクブク太ってません
スリムな空冷フィンのたたずまいは、愛でずにいられない
目的地に到着して、エンジンを止めた後、エンジンが収縮する『キンキン』という音。
フィンに共鳴して歌声のようにさえ聞こえる。
フィンの間隔・突き出し量には、人それぞれの美学があり、容易には譲れない。
4.空冷単気筒はスリム
![スリム](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/sr400-5_R.jpg)
空冷単気筒は、横から見たフィンの造形も良いけれど、
正面から見た、スリムさにも引かれる
エンジンが横に出っ張ってデブっておらず、
お弁当箱みたいな、不格好なラジエーターも無い。
エンジンがコンパクトで軽いので、
タイヤも細身で、ひらひら舞える。
5.空冷単気筒は低速トルク
![低速トルク](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/02/serow_f1_R.jpg)
- 低回転では、単気筒の方がパワーがある
- 高回転では、多気筒の方がパワーがある
普段、そんなに回して乗ってますか?
単気筒は、全排気量を1つの燃焼室で爆発させます。
だから、1回当たりの爆発力は、同一排気量の多気筒車より大きい。
例えば、4気筒バイクは、1気筒バイクの1/4の爆発力しかありません。
その分、4回爆発するのだけれど、気筒分だけ摩擦やロスが大きい。
同一回転数では、単気筒の方がトルクがでます。
4気筒は、このネガを回転数で稼いでます。高回転まで回してパワーを出してます。
だから、多気筒はパワーバンドが狭くて高回転より。
気合を入れて回せば早いけど、普段使いなら単気筒のほうがパワーがある。
6.空冷単気筒は低燃費
多気筒はピストンを小さく出来るので、マスが小さく高回転まで回せる。
単気筒は、高回転域は多気筒に敵わないけれど、普段使いの回転数はトルキー。
当然、単気筒の方が低燃費です。
250cc空冷単気筒で40km/Lなんて、燃費走行しなくても普通に出る。
- セロー 48.4km/L(60km/h)
- R25 37.7km/L(60km/h)
7.空冷単気筒は鼓動(振動)
![](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2020/11/engine-inline-4.gif)
4気筒はクランク軸2回転あたり4回爆発するのだけれど、単気筒は1回だけ。
だから、爆発の間隔が全然違います。
1回当たりの爆発力も違います。
4気筒がモーターのように抑揚無く回るのに対し、『ドドド』と鼓動感たっぷり。
萌えずにいられようか!
8.空冷単気筒は長寿命
![長寿命](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/serow-4_R.jpg)
空冷単気筒は、部品点数が少ない。
だから、壊れにくいので長寿命です。
全ての部品が正しく動いて、初めてシステムが成立する直列システムの場合
信頼度が Ri(t)であるサブシステムを n 個直列に接続したシステムの信頼度は
信頼度 R(t) = R1(t)・R2(t)・・・Rn(t)
信頼度 = 部品A ✖ 部品B ✖ 部品C ✖ ・・・・
掛け算なので、部品点数が少ない方が信頼性が高い、という単純な話です。
メンテもしやすい
部品点数が少ないので、構造が単純です。
素人でも、案外いじれてしまうのが空冷単気筒。
例えば、点火プラグなんて、空冷単気筒は丸見え!
交換はあっという間。
空冷単気筒のデメリット3選
![空冷単気筒のデメリット3選](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/tricker-4_R.jpg)
ほんのわずかな、些細な話だけれど
空冷単気筒のデメリットもあります
- ウルサイ
- 遅い
- 環境性能がイマイチ
1.ウルサイ
- 多気筒のように、チマチマ燃やしてない
- 水冷のように、水路のオムツで隠してない
男は、隠し立てせずにドッカンドッカン行きたい。
アイドル時の多少の音は、致し方なし。
高回転まで回らないので、トータルでの騒音それほどでも無い。
2.遅い
![遅い](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/serow-3_R.jpg)
高回転まで回らないので、最高出力は多気筒には勝てません。
パワー = トルク ✖ 回転数
待望の250cc4気筒 Ninja ZX-25R は、33kW(45PS)/15,500rpm!
セローは、14kW(20PS)/7,500r/min!
ZX-25Rは、2倍の回転数で、2倍の最高出力を得てます。
回さなければ4気筒の意味は薄い
250ccでも、公道で1万rpmを維持するのは難しい
加速の一瞬は差が出るけれど、ほんの一瞬とも言えます
セローでも、高速道路を巡行する事は可能です。
120km/hくらいが一杯いっぱいだけどね!
高速道路の走行車線の流れに乗るのに不満は無い。
下道では、全く不満無い。
3.環境性能がイマイチ
空冷は、車速・気温によってエンジンの冷却状態が変わります。
水冷のように、いつでもどこでも最適な一定温度という訳にはいかない。
だから、ガソリンが完全燃焼できずに、燃えカス(NOx)が出るときもある。
冷却出来ずにエンジンが高温になっても大丈夫なように、ピストンクリアランスも大き目です。
隙間からエンジンオイルが入り込んで、燃えてNOxがでてしまう。
高価な触媒を使って、大気中に放出しないように努力はしているけれど、限界がある。
流石に、このご時世
![](https://pcxgo.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
250cc程度なので、
チョットだからいいでしょ?
とはいかない。
エンジン添加剤で、エンジンをきれいに保つのいう努力もあるけどね。
空冷単気筒の魅力を新車で味わうラストチャンス まとめ
![空冷単気筒の魅力を新車で味わうラストチャンス まとめ](https://pcxgo.com/wp-content/uploads/2021/01/serow-5_R.jpg)
Ninja ZX-25Rのように、市場の要望で250cc4気筒が復活することもあります。
空冷単気筒が最新技術によって復活する日も期待したい。
けれど、ヤマハTW、スズキ グラストラッカー、ホンダ FTR。
先に逝ってしまった空冷単気筒なバイクたちと同様、復活は厳しそうです。
125ccがコスパ抜群なのは間違いないけれど、
空冷単気筒な250ccのメリットは、125ccにも負けてない。
新車で確保できるのは、今だけ!
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